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睡眠時無呼吸症候群外来

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中の気道狭窄や中枢性の無呼吸により低酸素状態を起こす病気の総称です。
SASは大きく2つに分けられます。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群

気道が狭くなることで起こります。肥満の方に多くみられます。

中枢性睡眠時無呼吸症候群

脳からの呼吸するような指示が入らずに無呼吸を起こします。心不全や脳梗塞の患者に多くみられます。

これにより、睡眠の質が低下し、日中の眠気、疲れや倦怠感、集中力の低下などの症状が現れることがあります。


睡眠時無呼吸症候群による健康被害

SASは、無治療の場合にさまざまな合併症や健康リスクが増加することが言われています。

高血圧

SASの患者さんは、睡眠時の低酸素状態により、交感神経が活性化され血圧が上昇するリスクが増加します。
気道狭窄によるSAS患者の約50%が高血圧を認められおり、高血圧の発症リスクは、SASの患者さんでは一般の人々に比べて2倍から3倍高くなるとされています 。

高血圧

心血管疾患

SASにより心臓や血管に負担がかかり、心不全や心筋梗塞、不整脈などの心血管疾患のリスクを増加させる可能性があります。
SASの患者さんでは、一般の人と比べて致死性不整脈のリスクが2.6倍、心筋梗塞などの冠動脈疾患のリスクが3倍高くなります。

糖尿病

SASはインスリン抵抗性を増加させ、糖尿病の発症や進行を促進する可能性があります。
SASの患者さんでは、糖尿病のリスクが一般の人々に比べて約3倍高くなるとされています。

糖尿病

脳血管障害

SASによる低酸素状態は、脳血管障害のリスクを増加させる可能性があります。
SASの患者さんでは、脳卒中の発症リスクが一般の人々に比べて2倍から4倍高くなるとされています。

交通事故や労働災害のリスク

睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、一般の人と比べて交通事故のリスクが2〜7倍高くなります。

以上のように、SASは様々な合併症や健康リスクを増加させる要因となります。
早期の検査や適切な治療を行うことで、これらのリスクを軽減することが可能です。

睡眠時無呼吸症候群を疑う症状

  • いびき
  • 睡眠中の覚醒
  • 夜間頻尿
  • 喉の渇き
  • 起床時に怠さや疲れ
  • 頭痛
  • 昼間の眠気
  • 集中力の低下
  • 記憶力の低下
  • イライラ

睡眠時無呼吸症候群の検査

当院では、以下の検査を行うことができます。

簡易PSG(ポリソムノグラフィー)

自宅で睡眠時の呼吸や心拍、酸素飽和度などをモニタリングすることができ、睡眠時無呼吸症候群の重症度を評価します。

精密PSG(ポリソムノグラフィー)

簡易PSGで精査が必要となった患者さんに対して行います。
以前は1泊入院が必要となり、より詳細な睡眠データを取得することで重症度を測定していましたが、自宅で測定を行うことが可能です。


睡眠時無呼吸症候群の治療

睡眠時無呼吸症候群の治療法としては、以下の方法があります。

マウスピース治療

特殊なマウスピースを就寝中に装着することで、気道を確保し睡眠時の呼吸を改善します。
軽症から中等症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群に適しています。
こちらの治療を希望される場合は、近医の歯科クリニックに紹介させて頂きマウスピース作成を行います。

CPAP(持続陽圧呼吸療法)

中等症から重症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対する第一選択の治療法です。
睡眠中(毎晩)に機械で空気を送る(陽圧換気)ことで気道の閉塞を防ぎます。それにより無呼吸や低酸素症を改善します。
こちらの治療は陽圧換気に馴れる必要がありますが、初めて治療する患者さんにも安心して始められるように陽圧換気の強さを調整できます。

検査や治療方法の詳細やそれぞれの費用については、当院受診時にご相談ください。

参考文献

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